私・・・平和に徹することはよいことさ。しかし戦争は
相手があることだから、こちらだけ幾ら平和を願って
も、止むを得ず矛をとらねばならぬことだってあるわ
けさ。大東亜戦争だってその一つだったことは前にも
話したよね。
昭和天皇が、最後の最後まで戦争を避けたいと願わ
れたことは有名な話で、昭和十六年の九月だったか、
いよいよ開戦を決意せざるを得なくなった御前会議の
席で、明治天皇の
四方の海みなはらからと思ふ世に
など波風の立ち騒ぐらむ
という御製を繰り返し奉唱されたということだ。
昭和二十年八月十五日に放送された終戦の詔書にも
「日本国民が平和で、世界各国と共に栄えることは、
御先祖からの教えで、私自身も一生懸命そうしようと
した。先に米英二国に宣戦したのも、日本の自存と東
亜の安定とを願ったためで、他国の主権を排除したり、
領土を侵すようなことは、元々私が考えても見なかつ
たことだ」とおっしゃっている。
私・・・その通りだ。ここに私が詔書を要約した文があ るから読んで御覧。
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