第32回全国戦友会連合会総会
戦友連 来年末の解散を決定
― 有終を全うするため募金を開始 ―
第32回全国戦友会連合会は、予定通り去る2月25日偕行社において開催された。この日、北風が強かったものの好天に恵まれ、相集う戦友百名(来賓を含む)、昨年より多少減員となったが、重要議案に真摯に取組み、極めて有意義な総会となった。
総会は定刻13時やや過ぎ、秋山正三常任理事の司会により、先ず靖國の英霊に黙祷を捧げ、つづいて国家斉唱でその幕を開けた。冒頭行われた西田会長の挨拶要旨は次の通り。
会長挨拶(要旨)
一昨年・昨年に引続き本年も百名に及ぶ多くの戦友の参加をいただき、そのご熱意に心から感謝の意を表します。
日本の政情は今や混沌の極みにあり、頼みの自民党は崩壊寸前の様相を呈し、野党も烏合の衆で覚束なく、我々の悲願である『靖國問題』の解決が後回しになる恐れが多分にあり、真に遺憾、憂慮に耐えません。
一方、戦友連は一年一年確実に齢を重ねており、後継者のいない任意団体の宿命として、残された時間は愈々短くなりました。
ここで戦友連の現状に触れるならば、組織面では、22年前に発行した『戦友連十年の歩み』(創立十年史)には二百十二の戦友会が名を連ねているが、ここ十年来解散する戦友会が多く、決算書(別紙)でも明らかなように、現在ではその数40戦友会を割っています。
また執行部の面では、会報発行、会計事務等事務局の仕事の殆どが、一、二の戦友の負担によって支えられており、万一その役員に不測の事態があれば、本部の機能はストップする危険性を常に孕んでいます。
ところが金銭の面では、戦友連は会員の年会費(会報代)と寄付金によって運営されていますので、如何なる事態においても、その年度の終りまでは業務を続けなければならない義務があります。
これらのことを考えると、戦友連は今や「会の有終」を考えざるを得ない時機に到来したと私は考えます。もちろん、会員各位が「死ぬまで頑張る」の精神でおられることは十分承知しています。私も個人としては全く同感です。だが会長の立場で考えるとき、三十余年の伝統ある会の最後を全うすることは、会長の重要な責任だと認識せざるをえません。
本日はこうした問題が最重要議案になっていますので、充分な審議をお願いして挨拶といたします。
以上
会長挨拶につづいて各戦友会出席者の紹介があり、次いで「英霊にこたえる会」倉林運営委員長の来賓祝辞を頂く。その後、恒例により西田会長を議長に選出して議案の審議に入る。議案は、
第一議案「平成十二年度活動報告」
第二議案「平成十二年度決算報告及び監査報告」
第三議案「平成十三年度活動計画」
第四議案「平成十三年度役員改選」
の四議案であったが、いずれも原案どおり可決された。紙面の都合もあるので、ここでは第三議案の平成13年度活動計画についてのみ、要約説明を加えたい。
平成13年度の活動計画において提案されたことは、次の三点である。
- 従来実施して来た靖國広報活動は、前年度の運動の延長拡大路線の上に立って、「英会」の方針にも基づき、精一杯継続実施する。
- 全国戦友会連合会としての組織ある運動は、平成14年12月31日(来年度末)をもって終結する。
- 全国戦友会連合会の有終を全うするための資金として、特別募金(靖國募金)を実施する。
以下、各項目について補足する。
第一項(従来の広報活動)について
従来実施して来た広報活動特に「総理大臣の公式参拝実現」運動は、会の解散まで厳然粛々と継続実施することを明確にした。
第二項(会の解散)について
- (1) 戦友連の解散は、あくまでも組織ある団体としての運動終結であり、その後は一切靖國運動を実施しないということではない。当然、有志相倚り何等かの形で運動は継続されると思うし、又それを期待する。
-
-
- (2) 会の解散を来年末とした根拠は、
-
- (イ)会長挨拶にもあった通り、会の組織(戦友会の解散、個人会員の死亡による急減)、執行部の現状、財政の緊迫、会員の体力の限界等、総合的に見ると、ここ一、二年が限界であること。
-
- (ロ)会の有終事業を達成するためには、本年度末では時間的に無理であること。
-
- (ハ)来年はサンフランシスコ講和条約(わが国が独立主権を回復した)から満五十周年の記念すべき年であること。
-
- 等を勘案して決定された。
-
-
- (3) 会の解散までの諸計画策定に当っては、次の四点に力点を置いて進めて行く。
-
- (イ)我々の運動を若い世代に申し継ぐ対策。
-
- (ロ)靖国神社へのしめくくり事業実施。
-
- (ハ)「戦友連ありき」の記録を後世に遺す。
-
- (二)戦友連解散後の有志会(仮称)をどうするかの準備。
-
-
- (注)尚、以上の四点について付言すれば、
(イ)に関しては、インターネット・ホームページの活用、
(ロ)に関しては特別募金の実施、
(ハ)に関しては、「戦友連会報」の創刊号から最終号までを合本装幀し、靖國偕行文庫、国会図書館に寄贈する、等を考えている。
第三項(靖國募金)について
- (1)戦友連解散の件が、役員会或いは戦友連代表者会で論議された際、大方の意見として出たのが、靖國神社への奉納を目的とする特別募金を実施すべきだという意見であった。その心は、「我々は、過去32年間、靖國神社を国の手で祀って貰いたいというただ一つの目的のために努力して来たが、その悲願達成を見ることなく戦友連の解散を迎えることは、英霊に対し慚愧に耐えない。会の終熄にあたり出来る限りの奉納金を納め、英霊へのお詫びとしたい。」ということである。
-
- 時偶々、靖國神社は御創立百三十年記念事業として、遊就館新館の建設その他、九十八億円にのぼる大事業を推進中であるが、長引く不況の中、資金は必ずしも順調に集まっているとは言えないようである。
-
- 執行部では、右のような『会』内外の情勢を検討の結果、会の有終を全うするためには、募金を欠かせないとの結論に達し、次の募金要項に基づいて募金を実施することを決定した。
-
-
-
◎靖國募金実施要項
-
募金目標 一千万円
-
- 募金期間 平成13年4月〜同12月
-
- 募金対象 ◇戦友連加入戦友会
- ◇個人会員、並びに趣旨賛同者
-
- 募金単位 一口五千円とし、
- ◇戦友会は十口以上
- ◇個人会員、趣旨賛同者は一口以上
-
- 送金方法 原則として郵便振込票による送金
-
- 領収報告 募金はその月の戦友連会報に掲載報告する
-
- 募金決算 事業終了後、戦友連会報に掲載する
-
-
-
(2)募金の使途
-
-
- 募金の使途は次のように予定している。
-
- ◇靖國神社御創立百三十年
- 記念事業奉賛・・・・・・・・・・五百万円
-
- ◇みたま祭りの永代献燈奉納
- (10灯分)・・・・・・・・・・二百万円
-
- ◇戦友連の永代神楽奉納
- ・・・・・・・・・・一百万円
-
- 小冊子「孫たちとの会話」
- 二万部奉納 ・・・・・・・・・・一百万円
-
- 募金経費その他・・・・・・・・・・一百万円
-
- 計 一千万円
-
-
- (注)「孫たちとの会話」は、平成七年発刊以来既に十一万一千部を発行、そのうち五万部を靖國神社に奉納している。靖國神社ではこれを遊就館で拝観者に無料配布しているが、読者からの反応は非常に大きく、靖國問題の啓蒙に大きな成果を挙げている。
-
-
-
(3)募金に関する細部事項
-
-
- ◇この会報に「郵便振込票」を同封いたしましたので、その払込票をご使用ください。(『靖國募金』の押印があります)
-
- ◇『靖國募金』の押印がない払込票をご使用の場合は、通信欄に『靖國募金』と明記して下さい。(他の送金と混同を防ぐため)
-
- ◇右のほか、通信欄には住所・氏名・戦友会名又は所属部隊名をご明記願います。
-
- 尚、記入に当っては団体か個人かの区別を明らかにし、団体(戦友会)の場合は代表者名を明記して下さい。
-
- ◇郵便局備えつけの払込票を使用される場合の振替口座番号、名義人は次の通りです。
- 振替口座番号 00100-5-125917
- 名義人 全国戦友会連合会
-
- ◇「郵便払込票」などご入用の場合は、本部事務所へご連絡下さい。お送りします。
-
- ◇本部事務局は次の通りです。
-
- 〒104ー0042
-
- 東京都中央区入船1ー5ー11
- 弘報印刷 (株) 内
- 全国戦友会連合会
-
- 電話 03ー3552ー9731
- FAX 03ー3553ー8220
-
-
-
むすび
以上、会の終結、募金を主体に述べましたが、会員皆様のご理解とご協力を切にお願い申し上げます。
副会長 佐藤 博志 記
平成13年3月25日 戦友連386号より